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2023.04.21
ヒノキヤの断熱・気密性能は、品質を長く維持できる【実測データ】
家を建ててから年数が経過すると、断熱性能や気密性能は新築時の状態からどれくらい変化するのか。アクアフォームで断熱・気密施工を行った展示場で、実際に使用したモデルハウスによる気密・断熱測定を行いました。そこから得られた実測値をもとに、経年変化にも負けない高品質を保つ技術力を、ヒノキヤグループ社長、近藤が語ります。
今回は、『年数が経つと断熱性能や気密性能はどうなるの?』というテーマです。
▼断熱・気密性能のカタログ数値は新築時のもの
断熱性能とは、使っている断熱材の熱伝導率という数値を基に計算されています。もちろん、その断熱材が新品の状態の熱伝導率です。それから、気密性能では気密測定を行います。実際に建物に測定器を持ち込んで測定し、その値(以降、C値と言います)を使います。
新築時は当然カタログに書いてあるような数値ですが、その性能がどうなっていくのか?これはインターネットで調べてもなかなか出てきません。当然ながら、性能が劣化していくと本来の快適さや省エネの効果などが失われていくわけです。
▼断熱・気密性能数値の経年変化を実測
築年数による性能の変化を調べるため、築8年のモデルハウスで住宅の気密測定を行いました。建て替えのため、古い展示場を解体する前に気密測定をやってみようという、初の試みでした。気密測定の方法は新築時と全く同じで、測定器を持ち込み、建物の隙間を目張りして測定しています。
その結果、C値は0.8という値が出ました。一般的に1.0よりも小さい数字で高気密と言われます。当社のアクアフォームを使った新築の住宅であれば、建物によって多少誤差はありますが、0.5~0.7ぐらいの値が出ます。今回の測定値0.8というと、ほぼ新築時に近い値が維持されていたということになります。
▼新築時と変わらない『アクアフォーム』の状態
この写真は建物を壊す前に断熱材を撮影したものですが、見ていただくと分かる通りほとんど施工時と変わってない状況です。この『アクアフォーム』という材料は自己接着力で張り付いていますので、基本的には半永久的に剥がれず、隙間が勝手にできるということはほとんどあり得ないわけです。
他の断熱材で施工されている場合は、気密をとるためにテープやシートを貼ります。当然それを貼るために、何らかの接着剤やシールなどでとめます。そのシールや接着剤が10年経った時、新築時のようにピタっとくっついているのか、だんだん剥がれてくるのか。これによって当然、C値が新築時から下がることもあり得る、ということです。
▼築11年でも断熱材は新築時の性能を維持
こちらは築11年、埼玉の上尾住宅展示場です。これを解体する際、壁の中の断熱材を採取して、劣化しているかどうか調査しました。断熱材は熱伝導率という値で測定するのですが、その結果、壁の断熱材が0.035、屋根が0.036、基礎が0.037。当社のカタログ上の数値は0.036ですので、ほとんど誤差もなかったということです。この結果から断熱性能、つまり断熱材自体もほとんど新築時の性能が維持されていたということが実証されました。
壁のなかでは、常に壁内結露という問題があります。結露の結果、断熱材が劣化するといったリスクがあるわけです。一度劣化してしまうと、本来の新築時の性能が維持されないことも十分ありえますので、そういったことも考えた断熱材選びをおすすめします。
▼今後も実証実験を継続の予定
今回の実験で、アクアフォームの断熱性能・気密性能が、約10年経過しても劣化していないということが分かりました。ただ、まだ1つ2つの事例にすぎません。したがって今後も可能な限り、築10年後、20年後、30年後というように、多くの物件で経過年数ごとにこういった調査を続けていきたいと考えています。
▼長く安心して暮らせる家づくりを追求
お客様にとっては、一度家を作れば20年30年長く住むことが前提です。新築時にいくら高性能であっても、20年経ったら全くその性能が出てない、30年経ったら全然違うということでは、お客様にとっては非常に大きな問題です。これは当たり前の事ですが、断熱性能や気密性能が長期にわたっても落ちない。これが非常に重要なことだと考えています。アクアフォームという断熱材は、他の断熱材と比べても非常に優れていることを改めて感じたわけですが、今後もこういった実験や検証を重ねながら、より長期にわたってお客様に快適な空間を提供し、安心していつまでも省エネ生活ができるような家づくりを追求していきたいと思います。
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