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アクアフォームが結んだ信頼の絆~その軌跡と今後のビジョン【社長対談:後編】
2023.04.28
前回から引き続き、日本アクアの中村社長との対談後編です。アクアフォームは戸建住宅に留まらず、ゼネコンが手掛ける大規模プロジェクトでも採用されるなど、活躍のフィールドが拡がっています。両社の関係性や、製品の技術進歩などを振り返りつつ、企業としての将来のビジョンをふたりのトップが語ります。 【対談者】株式会社 ヒノキヤグループ 代表取締役社長:近藤 昭株式会社 日本アクア 代表取締役社長:中村 文隆 ▼普及のポイントはコスト面と導入の容易さ近藤:中村さんは、これまでアクアフォーム普及を通じて、日本で高気密・高断熱住宅を普及させた一翼を担ってきたと思っているのですが、会社を作った時にここまでになることを想像していましたか?中村:全く思わなかったです(笑)。これまで、高気密・高断熱住宅といえば外断熱が主流でした。しかし、韓国や中国、イギリスでの事例からも、外断熱は火事の危険があります。やはり耐火においては内断熱の方が良い。外断熱は施工時に断熱材を外から貼るため、コストもかかって難しいんです。しかし、日本アクアに頼めば、簡単に断熱施工ができるので普及したのではないかと思います。近藤:先ほどおっしゃっていた、大工さんではなく専門部隊が施工することで、施工のムラなどを極力無くしていこうということですよね。 中村:そうですね。断熱材は断熱屋さんがやる時代が来たのではと思います。 ▼アクアフォームのターニングポイント近藤:いま、日本アクアでは年間で木造の戸建をどれくらい建てていましたか?中村:5万棟を超えていますね。近藤:5万棟というと、日本で1年間につくられる住宅の約10~11%ほどに当たるので、10棟に1棟はアクアフォームが入っている。これはすごいことですよね。中村さんは会社設立時「将来売り上げ300億円を目指す」とおっしゃっていて驚いたのですが(笑)、16年経って手が届きそうなところまで来ましたよね。その間に、どこかターニングポイントはありましたか?中村:一番はヒノキヤグループに入ったことです。原料メーカー勤めを経て、独立して1人で近藤社長にお会いした時も「前の会社じゃなくて、中村さんから使うよ」と、言っていただいて。近藤:中村さんが勤めていた前の会社の建材を使っていましたが、ある日突然「独立します」と聞いて。「同じ商品で同じようにやるので、ウチの商品を使ってください」と来られたんですよね。僕は中村さんしか知らなかったし、最初に売り込みに来た方で。思い入れもすごく強かったので、どんな会社かも分からないまま「じゃあわかった」と。(笑)中村:近藤社長と建材の商社さんのおかげで順調になってきた頃、出資者から、会社が大きくなったらどこかで同業他社に売る、という話が出て困ったことになったと。そこで近藤社長や商社、問屋さんに相談したところ、近藤社長が即答で「うちが受ける」と言っていただいて。あれがなかったら今の会社はなかったと思います。 ▼原料コストを下げるため、自ら製造メーカーへ転換近藤:日本アクアも当時はまだ原料を輸入して、自分達はあくまで営業して施工するだけの会社でしたよね。会社の規模も大きくなり、日本アクアが上場する、といった流れの中で「自分達は原料メーカーになる」と。原料メーカーになるためには、技術的・専門的な人材が必要ということでテクニカルセンターを作りましたよね。あれはどう言った考えだったのですか?中村:僕はアクアフォームを普及させたかったのですが、原料をそのまま買うだけではコストが下がらない。原料メーカーさんと交渉を重ねましたがなかなか解決できず、「これはもう作るしかない」と。川上から川下まで全て自社でやろうと決めて、 2014年、横浜に研究所を設立しました。技術の方にも来てもらえたことで、原料が製造できるようになった。ここは第二のターニングポイントでした。 ▼開発・研究・製造から最後の施工まで近藤:その後、色々な新しい商品や付加価値のある商品を自ら開発していった。テクニカルセンターで技術者を仲間に出来たことは、非常に大きかったと思いますね。中村:新しい『アクアモエン』という燃えない断熱材も一昨年に完成しましたが、そういった商品も研究所がなければ出来なかったと思います。近藤:今では日本アクアはウレタン断熱材を自ら開発・製造するメーカーである、ということですよね。まさに開発・研究・製造から最後の施工まで全てこれをやっている会社は・・・?中村:世界にも我々しかいないです。 近藤:そういう意味でもユニークな会社ですよね。その部分に特化しているので、非常に強い会社になったと、改めて感じます。 ▼ESGも見据えた、リサイクルへの対応中村:このウレタン系断熱材はリサイクルがなかなか難しいのですが、リサイクル対応にも成功しました。いまESGなど色々と取り沙汰されていますが、粉砕して再断熱に利用することも可能で、このリサイクルができるのも日本で我々だけなんです。近藤:施工現場で吹き付けをした後、はみ出た部分をカットしたゴミをリサイクルしようということですよね。中村:そうです。これは大量に発生するゴミで、年間5万棟のゴミ処理は1億円以上かかりますから、やはりリサイクルをしていかなければいけない。発生したゴミは東北工場でリサイクルしています。近藤:そういった取り組みや起業姿勢も評価につながる。工務店やゼネコンもそこは重視しますよね。 ▼アクアフォームの拡がるフィールド近藤:これまでずっと戸建ての話をしていますが、実は日本アクアはウレタンの断熱材を一戸建てだけではなく、大きなビルやマンションなどでも手がけていますが、例えばどんなところに?中村:羽田空港や大阪のサッカースタジアム、タワーマンションや国立病院、大学病院ですね。こういった建築系やRC系(有筋コンクリート)には、かなり採用していただいています。近藤:結局ありとあらゆる建物には、必ず断熱材が入っており、そこにも日本アクアは入り込んでいると。中村:やはりゼネコンも中小の工事会社に任せるよりも、施工からリサイクルまで一貫して扱える、我々のようなメーカーが喜ばれてチョイスしていただけるということですね。近藤:特にゼネコンの仕事ですと、戸建てとは違ったニーズがあるんですよね。それで燃えにくい断熱材も開発したということですか?中村:中国のテレビ局やアパートなどの火事で数名亡くなる事件があり、世界的にウレタン・プラスチック系素材は断熱性に優れているが、燃えるのではないか?と懸念されました。そこで、5年前から燃えない断熱材『アクアモエン』の研究に着手し、開発に成功しました。いま韓国に輸出していますが、アジア圏にも『アクアモエン』を広めたいと考えています。 ▼高気密・高断熱住宅の、普及への思い近藤:日本の住宅の高気密・高断熱化が普及してきて10~20年。その流れのなかで、日本アクアはとても大きな貢献をしてきたと考えているのですが、そこに何か思いはありますか?中村:そうですね、ヒートショックで1万5千人ほど亡くなってしまう中で、アクアフォームを使っていただくこと、Z空調を導入することで、洗面・トイレ・廊下、どこに行っても暖かいし涼しい家ができる。 断熱には色々な工法がありますが、施工時に隙間が全くなくなるのは吹き付けしかありませんので、やはり我々の商品が一番優れている。これを評価されたことが一番良かった事ですね。近藤:あとは、やはりコストですね。20年前と今と比べて、色々な努力をした事でかなり下がりましたよね。中村:そうですね。起業した時よりも40%ほどコストも落ちています。 ▼我が家の家づくりから生まれた『Z空調』近藤:ちょうど10年ぐらい前に僕が家をつくった時、アクアフォームを使ってしっかり高気密・高断熱にしたんです。そのとき中村さんに、「もっと何か快適な設備ってないですか」と相談をしたら「全館空調を入れたらどうですか」って提案をしてくれたんですね。中村:そうでしたね、言いました(笑)。近藤:それがきっかけで、我が家は全館空調を導入して快適な生活を手に入れ、これが『Z空調』に繋がっていくという流れがあったんです。そう考えると 『Z空調』がいまあるのも、中村さんがあの時に全館空調を勧めてくれなかったら、なかったかもしれない。そういう意味でも我々と日本アクアとは繋がっていますね。 ▼日本アクアの最大の特徴は近藤:いろんな断熱材メーカーや、ウレタンでも競合の会社があるんですが、そういう他の断熱材の会社と比べて、日本アクアの最大の特徴って何でしょうか?中村:原料メーカーは他にもあるんですけども、やはり原料しか作っていない。例えば板状のボードメーカーも板状の断熱材しか作っていない。繊維系もそうですが、その物しか作っていない。我々はこの材工。 我々にしか出来ないこれが一番の武器ですね。原料から工事・再利用までできるここが一番の強みですね。近藤:そういう会社は他にもないし、そもそもそんなことをやろうなんて思っている会社も他にはないですよね(笑)中村:そうです、ないんですね(笑)。職人さんが毎日1,000人、アクアフォームを吹き付けしているわけで、なかなかその規模は世界的にみてもないですね。近藤:そういう意味では非常に面白い会社で、他と色々な意味で差別化ができていますよね。 ▼日本アクアの将来のビジョン近藤:日本アクアもこうして本当に大きな会社になり、この先何を目指していくのか、どんな商品が今後出てくるのかなど、そういうことも含めてこれからの目標をお聞きできればと思います。中村:起業した時は300億円、上場した時は1,000億円をやると言いましたので、それを目指そうと思っています。どういう戦略かというと、ウレタンの木造分野はもう出来ました。建築は『アクアモエン』燃えない断熱ウレタンが主軸となり、ここで売り上げがまた上がると思います。そして今度は、防水の方にも参入しています。日本のビルを見ると、防水が切れたり駄目になったビルがたくさんあり、この市場を取っていきたい。日本の防水市場はガラパゴスで、どこも同じような古い防水の手法なんです。海外は超速硬スプレーという、超速硬のポリウレアがスタンダードです。日本だけなぜか、それが使われていない。なぜ使われていないかというと、既存の団体守りたいだけなんですね。 そこで、ポリウレアの新商品『アクアハジクン』を全国に販売していきたいと考えています。現在、20年の耐久年数試験をパスしており、30年の耐久試験も行っています。それをパスできれば、15年から20年の保証をつけて防水の分野にも参入していきたいと考えています。近藤:断熱材の業界では、日本アクアはある意味革命児というか、異端児と言われながらも、業界のしがらみを破壊しながらやってきた。これを防水業界でもやろうというのは大変なことだとは思うんですが。やはり思いは最終的に、そのビルのオーナーや利用している方にとってより良い形、建物にとってもより耐久性が増して雨漏りなどがないようにする。これは誰もが願う話ですから、良い材料を広めていこうということですよね。そこは日本アクアならやっていけると思うし、一生懸命応援したいと思っています。中村:ありがとうございます、よろしくお願いします。近藤:本日は中村社長をお迎えして、対談という形で話をさせていただきました。中村社長、どうもありがとうございました。中村:ありがとうございました! 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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断熱・気密性能の要(かなめ)、アクアフォームを語る【社長対談:前編】
2023.04.25
今回は、断熱材『アクアフォーム』を手掛ける株式会社 日本アクアの中村文隆社長をお招きした対談の前編です。ヒノキヤグループとの出会いのきっかけや、簡易的なアクアフォーム施工の実演など、アクアフォームのメリットを両社のトップが語ります。 【対談者】 株式会社 ヒノキヤグループ 代表取締役社長:近藤 昭株式会社日本アクア 代表取締役社長:中村 文隆 近藤:今日は日本アクアの中村社長をお招きした、対談企画です。YouTubeで初めての企画ですが、最初に中村社長の自己紹介をお願いします。中村:ウレタン断熱の現場施工のメーカーをやらせて頂いております、株式会社日本アクアの中村文隆です。よろしくお願いいたします。 近藤:初めて会ったのは、今から17~18年ぐらい前ですか。日本アクアの前身の会社に社長がいらした時だったと思うんですが、なぜ中村さんはこういう仕事をやろうと思ったんですか。中村:元々原料メーカーに約10年勤めておりました。そこにアクアフォームの前身の物がデッドストックになっており、これをどうしても広めたいという思いから商品化に繋げ、独立し現在に至ります。 ▼ヒノキヤとアクアフォームの出会い近藤:約20年ほど前に、これからこの商品が伸びると見越したんですね。我々が初めてアクアフォームを知ったのは、当時、小屋裏収納を商品化するタイミングでした。グラスウールの断熱は小屋裏では夏は厳しいという問題にぶつかっていた時、たまたまいいタイミングでアクアフォームを知りまして、「これなら屋根に断熱できてちょうどいいな」と。当時はまだまだ、こういった断熱材が一般的ではなかったですよね。でも将来絶対伸びるという自信があったんですか?中村:自信は全然なかったんですが、独立して必死にやっていました。近藤:そのアクアフォームですが、いつも中村社長がいろいろな所でやっている実験があるのですが、一度カメラの前でもやっていただけますか? ▼アクアフォーム施工を簡易実演でみる中村:アクアフォームは実際は機械で吹き付けます。トラックで機械を現場に運搬して施工しますが、ここでは簡易的な発泡をやってみます。アクアフォームは二液性で、こちらの茶色い液体はイソシアネートです。ベニヤ合板を作るボンドなどでよく使われます。こちらのポリオールという透明な液体がミソで、プラスチックの原料だと思ってください。では、混ぜていきます。茶色いイソシアネートを50cc、透明なポリオールも50cc、1:1で入れて攪拌します。すると化学反応でゆっくり膨らんできましたね。1mmの樹脂が100mmに膨らみます。もう触れるのですが、この柔らかい断熱材がアクアフォームで、これを屋根・壁・床に吹き付けるだけで、高気密・高断熱住宅ができるという新しい工法です。近藤:この実験は住宅展示場でも営業マンが毎日のようにお客様にお見せしていて、皆さん膨らむ瞬間を見ると「おおーっ」となる。この反応が嬉しいですよね。ところで、断熱材ってすごく地味な素材ですよね。でもアクアフォームは膨らんでいく様子を見せることができるので、ぼくはビジュアル系断熱材と呼んでいます(笑)。 ▼身近な素材「ウレタン」を使った『アクアフォーム』近藤:ウレタンって私たちの身近な所で色々使われてると思いますが、例えばどんなものがありますか?中村:ベッドのマットレス、低反発枕、自動車の椅子などは軟質ウレタンという、本当にポピュラーな素材です。皿を洗うスポンジもそうですね。近藤:ウレタンは身近な存在で、安全安心なものだと改めてわかりますね。 ▼『アクアフォーム』で施工する本当のメリット近藤:木造住宅をメインとする我々からみて、アクアフォームの一番のメリットは気密性が取れること。断熱材を施工しただけで気密性が取れるものは他にはなく、これが最大の特徴だと思います。もう一つは自己接着力と追随性、さらに、屋根や基礎にも容易に施工ができること。この他にも、特徴やメリットとしてどんなものがあるでしょうか?中村:やはり開発した時期が特にそうだったのですが、従来は綿のような繊維系断熱材がポピュラーで、それしか使用されていませんでした。工務店さんも別に「なんでもいいや」といった感じで皆さん使っていたので、昔は断熱に意識が全く向いていなかったんですね。国がエコや省エネを打ち出し始めてからやっと、断熱にフォーカスが当たるようになりました。 今までの繊維系断熱材は、大工さんが壁に入れているだけ。天井に置いているだけ。ですから隙間だらけになるんです。この施工ではだめで、繊維系断熱材では断熱施工ができていなかったんですね。 アクアフォームは機械で液体を吹き付けて施工するため、どこにも隙間ができない。こういった施工はやはり、我々断熱メーカーが行って隙間をなくすこと。なかなか大工さんに任せきりではできないことを私たちはやっているので、メリットとしては高気密・高断熱住宅が簡単にできてしまう、ということも一つだと思いますね。近藤:確かにおっしゃる通り、我々が断熱材を扱う前は、断熱材はほとんど世の中で興味を持たれていなくて、たぶんほとんどの会社が「とりあえず入れとけばいい」といった認識でした。世の中の考え方が省エネとか地球温暖化などで、ちょっとずつ興味関心が移っていくなかで、住宅にもそういった性能が求められるようになった、ちょうどそんなタイミングだったと思います。 ▼アクアフォーム施工後の気密性能を測定してみた近藤:先日、築8年の住宅展示場を解体するとき、新築時は気密性の高いアクアフォームが、はたして築8年たった建物で気密性はどうなっているんだろう?とふと思い、測定してみることにしました。 おそらく今まで誰もやったことがないはずなんです。ネットでもいろいろ調べましたが、他の断熱材を含めてそういったデータは出てきませんでした。実際に気密性を測定した結果、C値が0.8で、「これはすごいな」と。天井を解体する時に、壁をはがすとアクアフォームがしっかり張り付いていて、新築時と見た目は何も変わらない。たぶん気密性も落ちていないのだろうと思ってはいましたが、実際に測定してみて驚きました。アクアフォームはそういう意味でも、壁の中で普段は見えないですが、劣化しにくいところもメリットの一つかなと思いましたね。中村:そうですね。従来型のウレタン発泡は、フォームの中にフロンガスが入っていました。そのフロンガスは経年でだいたい抜けてしまうんです。これはどういうことかというと、いままでのものは独立気泡といって、泡が繋がっておらず、独立した気泡の中にフロンガスが入っていました。アクアフォームは連続気泡体といって、泡が全て繋がっている。これ(実演サンプル)は、1%の樹脂と99%の空気でできているんです。空気は空気と入れ替わるだけなので、収縮したり劣化しようがないということです。近藤:壁の中というのは、住んでいる時は全く見えない。壁の中でもし、収縮してしまったり剥がれてしまっては、何の為に断熱材を使ったかわからなくなってしまいますが、アクアフォームの場合はそういう心配もないですね。これも非常に大きなメリットだと思います。中村:そうですね、実証されましたからね。 近藤:これからも年数がたった建物や、色々なケースで測定を実施してみて、アクアフォームの劣化がないということを証明していきたいと思っています。 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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ヒノキヤの断熱・気密性能は、品質を長く維持できる【実測データ】
2023.04.21
家を建ててから年数が経過すると、断熱性能や気密性能は新築時の状態からどれくらい変化するのか。アクアフォームで断熱・気密施工を行った展示場で、実際に使用したモデルハウスによる気密・断熱測定を行いました。そこから得られた実測値をもとに、経年変化にも負けない高品質を保つ技術力を、ヒノキヤグループ社長、近藤が語ります。 今回は、『年数が経つと断熱性能や気密性能はどうなるの?』というテーマです。 ▼断熱・気密性能のカタログ数値は新築時のもの断熱性能とは、使っている断熱材の熱伝導率という数値を基に計算されています。もちろん、その断熱材が新品の状態の熱伝導率です。それから、気密性能では気密測定を行います。実際に建物に測定器を持ち込んで測定し、その値(以降、C値と言います)を使います。新築時は当然カタログに書いてあるような数値ですが、その性能がどうなっていくのか?これはインターネットで調べてもなかなか出てきません。当然ながら、性能が劣化していくと本来の快適さや省エネの効果などが失われていくわけです。 ▼断熱・気密性能数値の経年変化を実測築年数による性能の変化を調べるため、築8年のモデルハウスで住宅の気密測定を行いました。建て替えのため、古い展示場を解体する前に気密測定をやってみようという、初の試みでした。気密測定の方法は新築時と全く同じで、測定器を持ち込み、建物の隙間を目張りして測定しています。その結果、C値は0.8という値が出ました。一般的に1.0よりも小さい数字で高気密と言われます。当社のアクアフォームを使った新築の住宅であれば、建物によって多少誤差はありますが、0.5~0.7ぐらいの値が出ます。今回の測定値0.8というと、ほぼ新築時に近い値が維持されていたということになります。 ▼新築時と変わらない『アクアフォーム』の状態この写真は建物を壊す前に断熱材を撮影したものですが、見ていただくと分かる通りほとんど施工時と変わってない状況です。この『アクアフォーム』という材料は自己接着力で張り付いていますので、基本的には半永久的に剥がれず、隙間が勝手にできるということはほとんどあり得ないわけです。他の断熱材で施工されている場合は、気密をとるためにテープやシートを貼ります。当然それを貼るために、何らかの接着剤やシールなどでとめます。そのシールや接着剤が10年経った時、新築時のようにピタっとくっついているのか、だんだん剥がれてくるのか。これによって当然、C値が新築時から下がることもあり得る、ということです。 ▼築11年でも断熱材は新築時の性能を維持こちらは築11年、埼玉の上尾住宅展示場です。これを解体する際、壁の中の断熱材を採取して、劣化しているかどうか調査しました。断熱材は熱伝導率という値で測定するのですが、その結果、壁の断熱材が0.035、屋根が0.036、基礎が0.037。当社のカタログ上の数値は0.036ですので、ほとんど誤差もなかったということです。この結果から断熱性能、つまり断熱材自体もほとんど新築時の性能が維持されていたということが実証されました。壁のなかでは、常に壁内結露という問題があります。結露の結果、断熱材が劣化するといったリスクがあるわけです。一度劣化してしまうと、本来の新築時の性能が維持されないことも十分ありえますので、そういったことも考えた断熱材選びをおすすめします。 ▼今後も実証実験を継続の予定今回の実験で、アクアフォームの断熱性能・気密性能が、約10年経過しても劣化していないということが分かりました。ただ、まだ1つ2つの事例にすぎません。したがって今後も可能な限り、築10年後、20年後、30年後というように、多くの物件で経過年数ごとにこういった調査を続けていきたいと考えています。 ▼長く安心して暮らせる家づくりを追求お客様にとっては、一度家を作れば20年30年長く住むことが前提です。新築時にいくら高性能であっても、20年経ったら全くその性能が出てない、30年経ったら全然違うということでは、お客様にとっては非常に大きな問題です。これは当たり前の事ですが、断熱性能や気密性能が長期にわたっても落ちない。これが非常に重要なことだと考えています。アクアフォームという断熱材は、他の断熱材と比べても非常に優れていることを改めて感じたわけですが、今後もこういった実験や検証を重ねながら、より長期にわたってお客様に快適な空間を提供し、安心していつまでも省エネ生活ができるような家づくりを追求していきたいと思います。 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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熱中症を防ぐヒノキヤの家づくり【新築時の暑さ対策をご提案】
2023.04.18
夏の気温と湿度は、年を追うごとに厳しさを増しています。暑さを避けて室内に留まっていても、熱中症のリスクはゼロにはなりません。厳しい暑さを快適に過ごすための「これからの家づくり」のポイントについてヒノキヤグループ社長、近藤が語ります。 今回のテーマは『暑い夏を考えた家づくりをしないと一生後悔する』というテーマです。 ▼年々厳しくなる夏の暑さ非常に暑かった今年の8月をデータで見ますと、東日本の気温は、1946年統計開始以降で過去最高でした。平均よりも2.1℃も高く、西日本の気温も過去1位タイで、平均よりも1.7℃高かった。国内史上、最高気温が浜松市の41.1℃。また、東京都の熱中症による死亡者数は187人で過去最多でした。 熱中症で亡くなった方の9割は、クーラーを設置していないか、使用していない屋内、つまり家の中にいた方が多かった。記録的な猛暑とよく言われますが、毎年のように夏の暑さが厳しくなっている気がします。 ▼地球温暖化について東京大学の前 真之 准教授の著書『エコハウスのウソ2』から、地球温暖化による夏冬の気温変化のデータをご紹介します。このグラフは気温0℃の冬日が急に減少しているというデータです。真冬は寒い日が次第に減少し、東京では年60日あった冬日がほぼゼロになってきています。 一方、夏は30℃オーバーの真夏日がずっと続くことが、グラフからわかります。例えば、仙台でも真夏日が年に30日を超えるようになり、北の方でも暑い日がだんだん増えている。さらに35℃オーバーの猛暑日も急増し、ここ5年ぐらい35℃という気温が当たり前のようになってきました。10年前、 20年前はなかったですね。特に内陸の前橋などは急増していますし、東京でも35℃超の日が頻発するということがデータからわかります。 ▼熱帯夜が続き、夜間の空調が重要に25℃オーバーの熱帯夜も長期化しています。夜の冷房が必須になっているということですね。東京や静岡、前橋や仙台などでも、この熱帯夜がずっと夏のあいだ続くということで、夜寝る時にクーラーをつけっぱなしで寝るという方がほとんどではないでしょうか。窓を開けて寝られる夏が、はるか昔のように感じます。 ▼これから家を新築する方へ、『これからの家づくり』を提案ヒノキヤグループではこれまで高気密高断熱住宅、省エネ住宅、エコ住宅をつくってきました。この高気密高断熱住宅というのは、基本的には寒い冬を中心に考えられてきました。もちろん寒い冬を快適に過ごすことは大切な事ですが、先ほどの地球温暖化などの影響で、 『これからの家づくり』は夏の暑さを考えないと年間を通じて快適な生活は出来ない、ということです。暑さに対しては建物の性能を高めることが必要ですが、やはりエアコンをしっかりと使う。これしか方法はないのです。 ▼新築時に将来を見据えた熱中症対策も熱中症で亡くなる方は高齢者で、かつ、家の中で亡くなるケースが多いということです。日本の夏は温度も高く湿度も高いため、エアコンをつけないで家の中にいると熱中症のリスクが非常に高いという点に気をつけなければいけないと思っています。年齢を重ねると感度が鈍るということもありますが、エアコンをつけずに我慢をするとか、使わなくても大丈夫というような間違った判断の結果、熱中症になってしまうという非常に不幸な状況が起きています。「そんなことは自分たちには関係ない」と考えられている若い方でも、20年先、30年先、必ず高齢期を迎えます。その時になってから住宅に大きなお金をかけてリフォームしようと考えても、現実的には難しいと考えられます。部屋ごとにこれまでのようにエアコンを設置して、人がいる時につける、いない時には消す。こういう使い方をしていると、どうしても部屋と部屋の間の温度差などが大きくなったり、寝室のエアコンをつけっぱなしにして寝ると、風が当たって不快ということもあります。高齢になると、本当ならエアコンをつけるべき状況でも使わない、という誤った判断によって結果的に熱中症になってしまう・・・。ということも起こり得るわけです。 ▼考え抜かれた断熱と空調プランで快適な住まいを結論としましては、これから家づくりをされるのであれば、建物全体を24時間冷暖房するような設備をつけた住宅をつくられることをお勧めします。将来リフォームが必要になったらしようと考える方もいるかもしれませんが、当社の住宅で『アクアフォーム』でしっかり断熱施工した場合、Z空調を後からリフォームする場合で約200~300万円ぐらいの工事費でできます。もし『アクアフォーム』のようにしっかり断熱ができていない場合は、断熱工事から全部やり直すことになり、約1千万円以上、リフォーム工事にかかることになります。せっかく新築を作るんですから、是非最初からこういった新築計画をされるようお勧めします。 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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開放的な屋上空間「青空リビング」が、アウトドア感覚のおうち時間を演出。
2023.04.14
家で過ごす時間をより楽しくするために、わたしたちは何を提案できるだろう?こうした思いから生まれた発想が、屋上空間を有効活用する『青空リビング』です。発売開始から10年、多くのお客様に選んでいただいている人気商品の魅力を、ヒノキヤグループ社長、近藤が語ります。 今回のテーマは『青空リビング』です。こちらの展示場は豊洲という場所もあり、この屋上からはレインボーブリッジや海が見えますし、ゆりかもめが走っているのも見えます。また、遠くには東京タワーを眺めることもできる、非常に贅沢な場所です。夜になると非常に美しい風景が楽しめますし、花火の時期には、まさに花火を見るには絶好のポイントにもなります。屋上というものが本当に素晴らしい空間であることを改めて実感するわけです。 ▼ 『青空リビング』の発想 桧家住宅とレスコハウスで大変人気のある『青空リビング』ですが、この空間提案を始めて約10年になります。この商品をスタートする時に、『青空リビング』という名前を考えたのは僕です。実はあるテレビ番組名から “青空”というネーミングをいただきました。この“青空”というフレーズがすごく好きで、単なる屋上という言い方ではなく、青空に面したリビングのような使い方をする。そんな提案をしていこうということで、この『青空リビング』という名前を付けたわけです。今では桧家住宅の約4棟に1棟のお客様が、この『青空リビング』を設置されるくらい非常に人気のある空間になっています。 ▼ どんな方に人気なのか東京や近郊の都市部では庭がなかなか取れないということもあり、庭を取る代わりにこうしたスペースを作りたい、といったニーズは非常に高い。海が見えるとか山が見えるとか、花火が見えるとか。立地の良い場所の方にも人気があります。小さなお子さんのいる方などには、お子さんが遊べる場所として非常に安全ですし、ママ友同士でお子さんを連れて集まった時に、お母さん達はお茶をしながら、お子さん達はここで遊んでいる。仲間や友達が多い方、よく家で集まるような方にとっても、非常に人気のあるスペースです。 ▼ 『青空リビング』を実現できる理由は“防水の技術”木造住宅でこういった屋上を作るというのは、実はあまり一般的ではありません。他の住宅会社に行くと、「そういったものは作らない方がいいですよ」という話をされた方もいるかもしれません。では、なぜ我々が実現できるのかというと、何よりも“防水の技術”なんです。我々のような防水を行っている会社だからこそ可能で、防水の方法が違う会社では、あまりおすすめしないかもしれません。我々はより安全を求めて、オプションで金属の防水商品もご用意しています。グループ会社の『日本アクア』では、こういった屋上用の防水商品も2021年から新たに施工を始める予定です。こうした施工も利用し、より安全で安心できる屋上の防水をしっかりと行っていきたいと考えております。 ▼屋上空間のさまざまな楽しみ方新しく家を作った時に「まず最初にやってみたいことはバーベキュー」と皆さんおっしゃいます。もちろん庭でもできますが、屋上でやることによって煙が空の上の方に上がっていきますので、近所迷惑にならないという利点があります。小さなお子さんが遊んだり、わんちゃんが走り回ったりするスペースにもなりますし、こういったスペースで周りから目線が気にならない場所ですので、夏の暑い時期にプールを置いて水浴びしたり、日光浴したい時も思い切って水着で寝そべることもできます。最近は『ステイホーム』ということもあり、おうちでキャンプするように、この屋上にテントを張って寝るといった『ベランピング』という楽しみ方もあるそうです。今回のコロナで家時間が長くなったこともありますので、より『青空リビング』の注目度が増したと、我々も感じています。 ▼開放的な空間ながらもプライバシーを確保屋上でプライバシーが確保できるというのは、皆さん「意外」とおっしゃいます。周りからの目線が気にならないとか、意外と声なども下にいると聞こえないんです。ここで皆さんが集まっても近所の方からは見えない。それから、小さいお子さんなどが庭で遊んでいて道路に出ていったりして、車など色々な危険もあるのですが、ここはそういったこともほとんどないですね。そして何よりもこの開放感、空を眺めるというのは本当にリフレッシュできます。そういう意味では、庭とは違った屋上ならではの良さがあるのではないでしょうか。 ▼『COLORS』の家具で、空間をラグジュアリーに演出桧家住宅とレスコハウスでは、『青空リビング』に屋上用の、ラグジュアリーでリゾートのような雰囲気の出る家具『COLORS』を一緒にご提案しています。こういった家具を置くことで、まるでリゾートのホテルのような空間を作ることができます。そんな楽しみ方もできるのがこの『青空リビング』の良さのひとつです。 屋上と聞くと、なんとなく皆さんイメージが付くので「ああ屋上か」という風におっしゃる方もいるんですが、ぜひ一度この屋上のスペースに来ていただいて、この空間を体感して頂くと「家の中にこういったスペースがあるといいな」と、そんな気持ちになるんじゃないかと思います。桧家住宅とレスコハウスのほとんどの展示場に『青空リビング』を作っておりますので、ぜひ一度展示場で体感していただいて、この屋上の良さを皆さんの家づくりにお役立ていただければと思います。 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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「with コロナ」のライフスタイルを見据えた、ヒノキヤの家づくりをご提案。
2023.04.11
昨今のコロナ禍は、新しいライフスタイルという考え方を社会にもたらしています。こうした状況を見据え、「#これからの家づくり」についてヒノキヤグループ社長、近藤が語ります。 今回は、「#これからの家づくり」についてお話していきます。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、皆さんの生活の仕方や働き方が随分変化したのではと思います。それに伴って、家づくりの考え方やニーズも大きく変化をしてきています。特にこのコロナ禍で非常に注目されたりニーズが高まっている、『ヒノキヤのアイデア』を今日はご紹介していきたいと思います。 ▼直接ひとと合わず宅配荷物を受取り~『留守番ポスト』昨今のコロナ禍で、なるべく人と直接会わずに宅配便を受取りたいといったニーズが生まれ、この『留守番ポスト』という商品が非常に着目されるようになりました。受取りだけでなく、送る荷物をポスト内に置いておけば、配送業者にピックアップしてもらうこともできます。通信販売がこれだけ普及した時代に非常に便利な商品だと思います。 ▼帰宅してから家族のいるリビングに入る、その前に~『玄関クローゼット』例えば花粉症の方で、花粉症シーズンに外から帰宅し、その服をそのまま部屋に持ち込みたくない、といった方々にはもともと需要がありました。今回のコロナで、帰宅時に家の中へ外で着ていたものを持ち込みたくない方々に、こういった提案が非常に受けているように思います。 ▼手洗い習慣の重要性がもたらしたアイデア~『エントランス洗面』まさにコロナ問題の対応で新たに作った商品です。玄関横に小さな洗面スペースを作って、家の中に入る前に手を洗うことができます。 ▼リモートワークやオンライン授業のために~『ワーキングスペース』テレワークや在宅ワークが非常に増え、学校によってはオンライン授業などが始まり、家の中で仕事をしたり勉強したりという時間が非常に増えました。夫婦共働きの場合は、夫婦それぞれ別々なワーキングスペースが欲しいという声をよく聞きます。Zoom会議などで音が出たり声を出したりという機会もあるので、できるだけ音が漏れないように、きちっと閉められた空間が欲しいという方も多くいらっしゃいます。『ワーキングスペース』は家の色々な場所に作ることができます。 ▼家族がどこにいても、気配が感じられる~ 『コミュニケーションブリッジ』リビングダイニングから階段を上がる途中にちょっとしたカウンターを作って、そこで勉強や仕事などができるようなスペースを提案しています。家族の皆さんと空間を共有しながら、自分の仕事や勉強ができるということで、以前からとても人気のある『ヒノキヤのアイデア』の一つです。 ▼車庫空間を楽しく有効活用する~『アクティブガレージ』 ガレージの空間を単なる車庫としておくだけではつまらないということで、そこで自分の趣味時間を楽しく過ごしたり、いま在宅の時間が長い中で小さいお子さんなどはここで遊んだり、家族でゲームをしたりなど、色々な使い方ができます。 ▼すまいをもっと楽しむアイデア~屋上庭園 『青空リビング』小さなお子さんと一緒に遊んだり、ペットを遊ばせたり、バーベキューをしたり色々な楽しみ方ができる。そんな空間がこの屋上の『青空リビング』です。家時間が長くなるこの時代に、家の中のこういった空間が家族みんなで楽しめる場所になります。 ▼『ヒノキヤのアイデア』を代表する商品~新時代冷暖システム 『Z空調』家の中で家族皆さんが勉強したり、仕事したりする時間が長くなると、夏や冬は当然、冷房・暖房を使います。これまでのような家では、電気代が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。『Z空調』の場合は、各部屋に人がいてもいなくても、常に全ての部屋・建物全体を冷暖房していますので、電気代は変わりません。『Z空調』は、このステイホームの時代にも、より機能を発揮する大切な設備ではないかと考えます。 こういった様々なアイデア提案が桧家住宅のホームページを開いていただきますと、展示場の検索のページから簡単にどこの展示場にどんなアイデアがあるのか調べることができるようになっています。是非お近くの展示場で、皆さんの目で体感いただければ、と思っております。 withコロナ、afterコロナの時代です。皆さんの暮らしがより豊かになるように、これからの家づくりに是非、『ヒノキヤのアイデア』を参考にしていただければと思っております。 【このチャンネルについて】 ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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Z空調の電気代を大公開!24時間、連続運転でも電気代を抑えることができる理由
2023.04.07
一般的な総務省の家計調査のデータと比べても、Z空調の方が光熱費が安かった!このようなZ空調の事実について、ヒノキヤグループ社長、近藤が実際のデータを元に語ります。 ▼Z空調の電気代 今回は『Z空調の電気代大公開』というテーマでお話をしていきたいと思います。電気代は一番、皆さんが気になるテーマなのではないかと思いますので、ぜひ最後までご覧になってください。 ▼実データ収集が我々のスタンス Z空調は基本的に24時間つけっぱなしで使います。寝ている時も出かけている時にも、基本的に電源を落とさないんですね。ですので、皆さん、電気代について最初は心配されるんですよね。我々もZ空調を開発する段階で当然、実際どれくらい電気代かかるだろうか、ということはシミュレーションしています。 Z空調は基本的に2台のエアコンを使って冷暖房をします。2台分のエアコンの電気代しか、かかりませんので、実際そんなに多額の電気代になるとは思っていませんが、それでもやはりお客様にお引き渡しをし、住んでいただいて、実際どれくらいの電気代が、かかっているのか。そのデータを見ないと、我々も本当の意味でのZ空調の電気代は、わからないだろうと考えました。2017年頃から引き渡しが進んできましたので、お客様にご協力頂き、電気代の明細書を集めていきました。最終的に400件ほどの方にご協力いただくことができ、しかも1年分として集めることができました。 一番信用できるのは、なんといっても実証データであると我々は考えています。もし電気代が我々の想定以上であれば、色々なことを改善していかなければなりません。そのため実際のデータを集めていくのが我々のスタンスなのです。また、たくさんのお客様に協力をしていただけるということも、我々の強みなのだろうとも考えています。 ▼データが示した電気代の安さ 電気代のデータを集めた結果を3地域・4地域といったように、エリアごとに分けて表示してあります。すべての地域において、一般的な総務省の家計調査のデータと比べてもZ空調のお客様の方が光熱費は安かった、という結果が出ました。 例えば6地域を見ていただくと、一般の総務省のデータで月平均16,000円と少しくらいのところが、Z空調のお宅では14,000円ぐらいですから、それほど変わるわけではないのですが、一般の家庭のようにエアコンをつけたり消したりして使っているわけではなく、Z空調は基本的にはずっと、つけっぱなしにして建物全体を冷暖房してるにもかかわらず、この電気代ということです。これには我々はまず、ひとつの結果として非常に自信を持ったというか。よかったな、安心したな、という結果が出ました。ただ、この電気代は、あくまでも家全体にかかっている電気代のデータであって、Z空調だけの電気代を示しているものではありません。そこで、お客様に一つ注意をしていただきたい点があるのです。 ▼空調だけでどれくらい光熱費がかかっているか? 最近ネット上で、色々な方が自分の家の光熱費のデータを開示していらっしゃいます。一般の方から見れば、より事実に近いデータということで関心を持ってご覧になる方も、たくさんいらっしゃると思います。 ただやはり電気代、光熱費というのは、例えば地域や建物の大きさ、家族構成やライフスタイル、もちろんエアコンや他の家電の使い方などによってかなり差が出ますから、空調だけでどれくらいかかっているか?これはなかなか一般の方ではデータとしては出せないですよね。そして、ソーラーを載せている方も結構いらっしゃるので、ソーラーで売電をすると差し引きプラスマイナスの金額になってしまい、余計に光熱費が分かりにくくなってしまうこともあります。そもそもデータは、ある程度数がまとまってこないと平均値が出てこないのですが、一軒一軒の数字だけで高い、安いの判断をしてしまうと、実際とはまた違う、誤った見方をしてしまうかもしれません。そのため、あまり一軒一軒の数字で決めつけないことが必要なのかと思います。 ▼24時間つけっぱなしで、この電気代 Z空調だけの電気代を実際に調べてみようということで、お引き渡しをしたお客様にご協力いただきました。HEMSというシステムを導入されたお客様から、Z空調と換気システムだけの電気代を取れるSDカードで、1年間データを頂きました。そこで、30数件の方からデータを集めてZ空調だけの実際の電気代を調べてみました。結果的にエアコン2台、そして換気システムを24時間、夏と冬は2台ともつけっぱなしにして使われている方々で、夏の7~9月の3ヶ月の平均が3,348円、冬の1~2月 12月の平均値が9,319円ということです。 エリアは4~6地域、主に首都圏のお客様です。こういった数字をご覧になって皆さんどう思われるでしょうか?夏のエアコンをつけたり消したりして使っている方々で、夏、大体3,000円くらいエアコン代がかかってる感じでしょうか。冬はどうでしょうか?場所や使い方にもよりますが、もう少し使ってるんじゃないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。我々はこの数字を見たときに、「意外にZ空調は安いぞ!」と思ったんですね。基本的にZ空調は24時間つけっぱなしです。これぐらいの電気代で、リビング・ダイニング・洗面所・トイレ・廊下・お風呂・・・。すべてが24時間、部屋の隅々まで冷暖房できるということなので、7~9月の3ヶ月間で見てもずっとつけっぱなしなんですよね。それでこの金額ですので、決して高くはない。いや、安いくらいじゃないかと思います。 ▼ Z空調は非常に快適であり、電気代も安く済む では、どうしてZ空調は、こんな金額で済むのか?それは建物の断熱・気密性能が高いためです。特に気密性が高いというのは、非常に重要な部分だと考えています。隙間があるとそこから外気が入ってきたり、部屋の空気が抜けたりして、どうしても冷暖房の効率が落ちてしまいます。やはり気密性が高いというのは、電気代を安くするためには非常に大きな要素になっていると思います。もう一つは、ダクトが短いことです。エアコン本体から部屋の吹き出し口までの距離が非常に短く設計されています。これはもちろん家によって長さは変わりますが、全体的に見ればダクトは非常に短くて済みます。私は全館空調の家に住んでいたことがあるという話を以前の動画でも話しましたが、その時の建築中の事をいまでもよく覚えています。私の家の時は、全館空調は2階の上、小屋裏の部分にエアコン本体が1台ありました。そこから2階・1階の全ての部屋にダクトが配されていきました。そのダクトの工事を見ていたのですが、まるで家がタコの足で覆われるかのように、物凄い長さでした。全館空調はこんなに大変な工事をやるんだな・・・ということと、ものすごい長いダクトを使うんだな、ということが印象に残っています。結局ダクトが長いということは、エアコンのパワーが必要だから電気代もかかるのですが、それに比べてZ空調はエアコンと各部屋の吹き出しまでのダクトが短い。結果的に小さなパワーのエアコンで済むので、電気代が安いんですね。部屋では吹き出し口は必ず入り口の上あたりについています。そこから冷たい風や暖かい風を、それぞれ方向を分けて吹き出していく。こうすることで部屋全体を暖めたり、涼しくしたりします。これも、ダクトを短くし手前から吹き出すことで、結果的にうまく機能したということです。このような工夫のすべてが、電気代の安さにつながっていると思っています。 ということで、Z空調は年中快適であり、電気代も安く済むという夢のようなシステムであることがご理解いただけたでしょうか。 【このチャンネルについて】 ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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年中、家の温度を快適にしながら、導入コストと電気代の軽減も実現した「Z空調」(ゼックウチョウ)誕生までの道のり【Z空調への道-Part3】
2023.04.04
高気密高断熱の家づくりと、オリジナル換気システムの開発の流れの中で生まれた『Z空調』。その開発のきっかけや、経緯、様々な努力と工夫への取組みについて、ヒノキヤグループ社長、近藤が語ります。 日本の家の常識を変えた冷暖房システム「Z空調」が生まれるまでの道のりを、 「Z空調への道」と題し3回シリーズでお届けします。今回はその第3回です。 ▼『Z空調』の開発のきっかけ『Z空調』の開発責任者であった取締役の荒木と私との、何気ない会話の中で、そのヒントは出てきました。「ココチE」というヒノキヤの換気システムは、外から取り込んだ空気を換気ユニットを通して各部屋に空気を配り排気をしていきますが、この取り込んだ空気を各部屋に配る間に、エアコンを挟むことで、全館空調のようになるのでは?そして、理屈としてはできそうだが、そんなことが本当に実現可能なのかどうか・・・。ちょっと考えてみようよ、ということから『Z空調』の開発は始まりました。 ▼世界ナンバーワンの空調機メーカー「ダイキン」との連携せっかくやるのならば、一緒に取り組んでもらえる相手は、やはりダイキンがいいな、と。ダイキンといえば世界ナンバーワンの日本を代表する空調機メーカーです。大胆にも、いきなりダイキンに連絡を取り「こんなことを考えているのですが、どうだろう?」ということを相談したわけです。すると意外にも、「それちょっと面白そうですね」と、担当の方に非常に関心を持っていただき、『Z空調』の開発を共に始めました。 ▼『Z空調』開発のポイント『Z空調』を開発する上で、何よりもまず、コストを下げなければいけない。導入コストもそうですし、月々のランニングコスト、電気代です。この両方下げなければ、一般的な全館空調のように、非常に高価になってしまい普及もせず、多くのお客様にご提案することもできません。、そのためにどうすればいいのかというポイントは二つありました。 一つ目は、エアコン一台で建物のどれぐらいをカバーできるかということです。これは実験してみなければ分からないことです。二つ目は、エアコンと言っても壁ではなく、天井に埋め込むエアコンを使いますので、そこから各部屋に空気を送るためのダクトをどうするか。天井が貼られていないレストランやお店で、よく銀色の太い管のようなものが、張り巡らされていまずが、あれがまさにダクトです。 ▼ダクトの重要性 ダクトをいかに短くするかは非常に大きなポイントです。何故かというとエアコン本体から1mのダクトで1m先に暖かい空気を送るのと、ダクトが10mあって10m先に暖かい空気を送るのとでは、同じエアコンのパワーだと10m先で暖かい空気が出るかというと、なかなか難しいと思います。10m先で暖かい空気を出そうとすると、エアコンにものすごい力が必要になります。つまりダクトが長くなればなるほどエアコンに大きな力を必要とします。 こういった関係性があるため、ダクトは極力短くしたい、ということを考えて開発に入りました。実際の開発に当たっては、実大サイズの住宅を埼玉と長野の佐久に建て、夏の暑い埼玉と、冬の寒い長野の佐久という2箇所で1年間実験を重ねました。 ▼エアコン1台でどれくらいの広さまで冷暖房できるのか?最初にエアコンの台数ですが、家電量販店のエアコン売り場に行くと、木造だと何畳、鉄筋コンクリートだと何畳というように目安が書いてあります。あの畳数の目安というのは実はものすごく古い時に決められたもので、今の高性能な住宅には全く当てはまらないという場合もあります。実際、わたしたちの今の気密性の高いアクアフォームを使った高性能な住宅で、本当にエアコン1台でどれくらいの広さまで冷暖房できるのかということは、実際にやったことがなかったため、ダイキンの協力も得て、実験をしました。 結果的にはカタログ数値の大体2~3倍ぐらいの面積をカバー出来る事がわかりました。つまり12畳用のエアコンであれば、24~36畳までカバー出来るということです。ということは、40坪ぐらいの一般的な住宅で考えると、だいたいエアコンを1階に1台、2階に1台、合計2台で理屈上、ほぼカバーできることが分かったわけです。これはまず非常に大きな前進でした。これが分からないとその先に、恐らく進めなかったと思っています。 ▼ダクトを、どう短くしていくか?次はエアコンから各部屋への吹き出し口へのダクトを、どう短くしていくかというポイントだったのですが・・・。木造の構造は、天井の上に梁という構造材が入っています。この梁を貫通はできないため、どううまくかわしてダクトを各部屋に送るか。これも非常に難しいポイントでした。 こういった開発の中で、オリジナルのチャンバーボックスという部材を、色々なアイディアのなかから開発しました。これができたことによって、梁をかわしながら各部屋の吹出し口に空気を送る事が可能になりました。エアコン本体は各フロアの、わりと中心に近いところに置きます。そこから各部屋の入り口付近からちょうど吹き出し口から空気を送るということになります。エアコン本体と各部屋の入口までをダクトでつなぐわけですから、ダクトを短くすることにうまくつながっていきました。そのために、少し天井の一部を下げたりということがありますが、これもダクトを短く配置するためです。このことから、『Z空調』の一部の天井が下がっている理由を、よく理解していただけるかと思います。 ▼ヒノキヤ、ダイキン、協立エアテック三社の力エアコンはダイキン製ですが、換気は協立エアテックです。それらをつなげ、木造構造の中で、梁をかわし、ダクトが短くなるように設計をし、各部屋の天井を少し落としたりしながら、吹き出し口をつけていく。こいういったところは建築の方のヒノキヤサイドで色々とアイディアを出しながら作っていきました。しかし、恐らく一社だけでは実現できなかったと思います。三社がそれぞれ専門の立場から意見を出し合い、やっと『Z空調』ができたのだと我々は考えています。 ▼ 1年の実験を経て、いよいよ発売1年間、実験棟で、気温・光熱費・電気代・排気の量と色々なデータを取りました。そして、これならば十分商品化できるという目処が立ちましたので、1年の実験を経て、いよいよ発売に至りました。 そういった色々な工夫をしたことが、結果的には特許取得にも繋がりました。また、2017年にはグッドデザイン賞も受賞し、外部からも非常に高い評価を得た商品になりました。 ▼ 『Z空調』のネーミング『Z空調』は、皆さんに非常に良い名前だと言っていただいています。私は全館空調という名前は使いたくなかったため、開発が始まった段階の、まだ1年先か2年先か販売時期が見えなかったタイミングから広告代理店の方にご相談をして、「こういったものなんだけども、何かいい名前考えてほしい」ということをお願いをしていました。そんな中で出てきたのが『Z空調』でした。 『Z空調』のZは、家の隅々というイメージ。またアルファベットの一番最後の文字ですから、究極という意味もあります。あとはもちろん、「絶好調」にもかけています。こういったことから本当に最高の名前をつけていただいたと思っています。『Z空調』という名前はみなさんご存知かもしれませんが、「ヒノキヤ」は知らないという方も、実際たくさん、いらっしゃいます。もう少しヒノキヤも有名にならないといけないんですけどね。それぐらい『Z空調』という名前が浸透したということだと思っています。 そういったことを経て、今から3年半前の2016年の12月に『Z空調』の販売を開始しました。今ではもう、1万棟を超えるお客様に『Z空調』の快適な住宅をお届けしています。おかげさまであっという間にここまで来たと思います。そして斎藤工さんという、いま本当にたくさんのCMに出演しているタレントさんを起用し、大々的なアピールを始めたということになります。 こういった流れで『Z空調』は生まれてきた、というお話をさせて頂きました。ありがとうございました。 【このチャンネルについて】 ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。
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気密性の高い住宅では、換気が重要!外の空気を直接入れない第一種換気の仕組みとメリット【Z空調への道-Part2】
2023.04.01
家を作る上で、換気に興味のある方や、換気に、こだわりたいという方は、少ないかもしれません。しかし、この「換気」は、建物の耐久性や、住む人の健康を左右する、非常に重要な要素です。この動画では、なぜ「換気」が、大事なのか、床下換気の仕組み、目的やメリットについて、ヒノキヤグループ社長、近藤が詳しく説明します。日本の家の常識を変えた冷暖房システム「Z空調」が生まれるまでの道のりを、 「Z空調への道」と題し3回シリーズでお届けします。今回はその第2回です。 ▼なぜ換気が重要か?子供のころ、冬の日に朝おそくまで寝ていると部屋の窓をガラガラと母親に開けられて、外からの冷たい空気に、びっくりして飛び起きることがよくありました。なぜ窓を開けるかというと、まさに換気していたということ。昔の家は、このように窓を開けて換気することが、一般的だったと思います。よく別荘や空き家は、人が住んでいないと家が悪くなる、ということを聞いたことがあると思いますが、これもやはり換気をしないから、ということになります。日本の気候を考えると、窓を開けず空気を入れ替えないと、家の中の空気がよどんで湿気でカビたり臭いで、家自体をだんだん劣化させていくことになるため、換気は昔から非常に重要だと言われています。 ▼窓が開かない空間での換気 例えばホテルやオフィスビルでは窓が開かない所が多くありますが、窓が開かない空間では、機械で空調を含めた換気システムが稼働しているため、窓を開かなくても常に新鮮な空気が入れ替わっています。最近は車もエアコンのオートボタンを押しておくだけで、温度設定は多少するにしても、一年中ずっとオートでつけっぱなしで車の中の空気は入れ替わり、冷房・暖房も自動的に効く仕組みになっています。そのため、換気は、色々な空間で整備されていますが、一戸建ての住宅の換気について、皆さんどれだけ真剣に考えられているでしょうか? ▼一戸建て住宅での換気扇設置の義務化の理由 住宅で換気扇を設置することが義務化されたのは2003年のことで、意外と最近です。それまでは義務化されていなかったため、台所やトイレの換気扇はもちろんありましたが、家全体を換気する装置は特に義務化されておらず、ほとんどの家についていませんでした。2003年頃、換気が義務化された理由はシックハウス対策でした。家の換気はシックハウス対策にはもちろん必要かもしれませんが、それよりも湿気や匂い、今だったらウイルスなどで、家の中の空気をしっかり入れ替えていくという必要性は非常に高まっており、なくてはならない機能です。 ただやはり窓を開けて全部換気、というのは、なかなか現実的ではありません。共働きで忙しい方や、防犯上の問題、花粉症やホコリ、排ガスなど・・・。色々な問題で窓を全部開けて換気することは、今の生活には、なじまないのではないか?ならば、しっかりとした換気システムを導入していくことが、これからの家づくりには非常に重要だと考えています。 ▼第三種換気とは 住宅には、空気を吸う場所である給気口と、空気を外に出す排気口があります。各部屋ごとに、このような給気口と排気口をつけ換気することを、第三種換気といいます。 第三種換気は一番コストが安く一般的に普及しているシステムです。 ▼第三種換気の注意点 第三種換気で、一つ気を付けなくてはいけないことは、建物の気密性が高くないと機能しないという点です。 気密性が良いと、しっかり空気を取り込み部屋の中の空気をきちんと出していきますが、もし気密性が悪いと、換気扇が回っている、すぐ横の所から空気を取り込んで出してしまいます。こうなると、一向にこの部屋の空気は入れ替わらず、換気の目的を果たさないということになりかねません。例えばストローで水を飲んでる時に、もしそのストローの途中に穴が開いていたら、吸っても吸っても水を吸わず、途中の穴から空気を吸ってしまいます。これと全く同じ理屈です。そのため第三種換気を使う場合は、特にこの気密性は非常に重要視されます。 ▼ ヒノキヤが開発した独自の換気システム『ココチE』 お客様のなかには、この第三種換気の場合は、とくに冬、外から寒い冷たい空気を直接取り込んでしまうため、部屋の中に冷たい空気が入ってくるのが不快ということで、換気装置を止めてしまう方が結構いらっしゃっいました。そうすると、やはり冬は、中は暖かく外は寒いので、その温度差で結露のクレームが結構ありました。 そのため、ヒノキヤでは、建物全体の気密性を高くし、その上で換気をしっかりする、つまり、換気のスイッチを切られず、季節を問わず換気するために、第三種換気ではなく第一種換気、しかも熱を交換して冷たい空気を直接入れない換気システムを導入した方が良いのではないか?という考え方に至り、『ココチE』というヒノキヤ独自の換気システムを開発しました。オフィスやホテルでは当たり前の換気システムですが、計画的にきちんと空気を入れ替えていくシステムは、実はオフィスやホテルよりも、食べたり飲んだりペットがいたり、色々な生活臭があり、長い時間生活する住宅の方がより必要なのではないか?と我々は考えています。 ▼換気装置を床下に置く理由 ヒノキヤの住宅は基礎の内側を断熱するため、床下を部屋の空間の、ひとつとして使うことができます。そこで換気装置は床下に置いています。これにより場所も取らず、床下全体も換気できることがメリットになりました。また何よりもフィルターの掃除が床にある蓋を開けてできるため、非常にやりやすくなっています。フィルターは必ず詰まることから、掃除をしないとせっかくの換気システムが、きちんと作動しないことになるため、定期的な掃除は欠かせません。かつて私(近藤昭)の家にあった全館空調のフィルターは2階の天井の上にありました。そうすると天井の蓋を開けて掃除することが、非常にやりにくいものでした。ヒノキヤの換気装置は床下に置いてあり、1階の床に蓋があるため、フィルターの掃除が非常にやりやすいということも、大きなメリットです。 ▼ヒノキヤオリジナルの換気装置 既製品には、床下換気の製品は、なかなかありませんでしたので、専門メーカーである「協立エアテック」に依頼し、ヒノキヤ用オリジナルの換気装置を製作しました。この換気装置では外気をまず引っ張ってきます。そして床下から換気システムのフィルターを通して入ってきた新しい空気を部屋全体に、家全体にダクトを通して送っていきます。その後、今度は1階の床につけられたガラリを通して、古い空気が外に出ていく、という換気全体の流れになっています。 ▼ヒノキヤの換気技術 「熱交換」という言葉がありますが、ヒノキヤには、冷たい空気を入れても直接冷たいままではなく、熱だけ交換し温度を少し上げて家の中に入れる技術があります。冬、5度ぐらいの気温で部屋の中が20℃だとすると、熱だけ交換して入れ替えるため、寒い5°の空気も家の中に入ってくる時には、17℃ぐらいになって入ってきます。これは非常に快適で省エネにもつながる仕組みです。換気の目的は、元々はシックハウス対策ですが、現在使われている住宅の建材類は、規制によりシックハウスになるような材料はほとんど使われていません。そのため、換気は、実際ほとんどシックハウス対策が主な目的ではないと言ってもいいくらいです。それよりも高温多湿の日本では、湿気やカビ、匂いやウイルスの問題もあります。この問題を考え、常に家の中に新鮮な空気を取り込み、きちっと古い空気を外に出していくことが、生活していく上でも、建物の耐久性を考えても、住む人の健康を考えても、非常に大切な話だと思います。例えば、普段全くいかない別荘なども、機械関係を整備しておき、換気扇を稼動させておけば、窓を開けに行く必要がありません。家に人が行かなくても、決して空気環境は悪くならないということがいえますので、そういった意味でも、この「換気」は非常に大切な住宅の設備だと思っています。 第1回にお話した『断熱材アクアフォーム』と今回の『換気』。これがZ空調につながっていく大切な二つの要素になります。次回は、そこからどのようにZ空調が生まれてきたのかをお話します。 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください
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アクアフォームがなければZ空調は生まれなかった・・・。住宅の断熱施工と気密施工を同時に実現する断熱材。住まいを一年中快適に。【Z空調への道-Part1】
2023.03.02
ヒノキヤグループ社長の近藤が初めて見た瞬間、もうこれしかない、瞬間的にこれだ!と直感した、断熱と気密を同時に実現する断熱材アクアフォームの特徴とメリット、一般的な方法との違いを詳細に、わかりやすく説明します。日本の家の常識を変えた冷暖房システム「Z空調」が生まれるまでの道のりを、 「Z空調への道」と題し3回シリーズでお届けします。今回はその第1回です。 ▼アクアフォームとの出会いが無ければ、Z空調は生まれなかったアクアフォームとの出会いは、 15年ほど前に住宅も省エネ化が求められていくだろうと予感していた頃。今や年間5万棟(新築住宅の約10%)を施工する、日本アクアのアクアフォームという断熱材は、15年前は、ほとんど誰も知らないような存在でした。しかし、膨らんでベタっと張り付く独特の形をしており、とにかく木造住宅に非常に適した断熱材であると直感しました。その後、日本アクアは、2009年にヒノキヤグループのグループ会社となり、順調に成長拡大を遂げ、累計でも30万棟以上の施工をしている実績のある会社になっています。 ▼ウレタン素材アクアフォームは身近に多く使われているウレタンという素材からできています。例えば食器を洗うスポンジやベットのマットレス、車のバンパーなど日常のあらゆるところに使われ、非常に身近で、安心安全な素材です。 【アクアフォームの3大特徴】【特徴-1】気密性この断熱材を施工すると、すぐに膨らんで張り付いて隙間がなくなり、結果的に建物全体の気密性が非常に高まります。この断熱と気密を同時にできることは断熱材としての、アクアフォームの大きな特徴です。 ▼どうして気密が大切か?気密性が高まると建物の隙間がなくなり、冷房や暖房が外に漏れず、非常に冷暖房の効きが良くなります。同時に省エネや電気代の節約にもなり、住み心地が格段に上がります。 ▼断熱と気密。実は全く別物。アクアフォームは断熱気密が同時にできますが、他の断熱材は断熱施工だけでは気密性がとれず、気密施工もする必要があります。 例ば、断熱はセーターで、気密はコートやウィンドブレーカーです。冬の寒い日にセーターを着ると保温効果があり温かいですが、外の冷たい風に当たるとセーターの隙間から冷たい風が入ってきて寒くなります。これでは断熱だけで隙間が埋められない、ということになります。そこでセーターの上から風を避けるようなコートやウィンドブレーカーを重ね着すると、風も遮断し中の保温性もあって暖かい。このイメージをしていただくと断熱と気密の関係性というのは非常にイメージしやすいと思います。 【特徴- 2】自己接着力と追随性アクアフォームの原料の1つは接着剤です。自己接着力とは自分の力で接着する、くっつくということ。木造住宅で、台風や地震が来て揺れた時に断熱材が、はがれ落ちてしまうと全く意味をなしませんが、アクアフォームは、吹き付けて張り付いた瞬間に自らの力でくっつき、剥がれることは、ほとんどありません。木材は時間が経つと少し形が変わる(痩せる)ということもあります。アクアフォームは非常に柔らかい素材ですので、木の変化に対しても少しであればついていき、すぐに切れることがありません。これが追随性です。新築の時はピタッと綺麗に収まっていても時間が経つにつれ、だんだん隙間が空いてきては、断熱や気密が、全く意味をなしません。長期間、住む家では、これは非常に大切な要素です。 【特徴- 3】屋根も基礎も断熱できるアクアフォームの断熱は、壁の中は当然ですが、屋根と基礎にも断熱施工が容易にできます。断熱の場所を変えるだけで住宅の快適さが変わってくるため、断熱材と断熱する場所は、実は非常に重要な関係性があります。 ▼一般的な住宅との違い一般的な住宅は、施工性がよく、コストも安くできるため、2階建ての家の場合、壁、2階の天井の上、1階の床下だけを断熱します。一方ヒノキヤの断熱施工は、アクアフォームを使い、壁そして屋根の下、基礎の内側から完全に断熱材で包むような形で施工し、隙間が全くない、気密性が高い空間ができます。これはヒノキヤの住宅の特徴で、断熱している場所が一般的な住宅とはかなり違います。屋根の断熱は、家の中に入る熱を極力抑え夏の暑さを防ぎ、和らげることが大きな狙いです。屋根は真夏に直射日光に照らされると温度が約70~80度くらいまで上がるため、2階の天井しか断熱をしていないと、屋根裏に熱が溜り、2階の部屋にどんどん輻射熱(ふくしゃねつ)を送ることになります。夏2階に上がると、とにかく暑いのは熱い空気は上に上がるから、というよりも屋根からの熱が圧倒的に暑さにつながるためです。従来の一般的な住宅ではシロアリの問題や湿気を防ぐため、基礎の内側である1階の床下に外の空気を流す作り方が一般的です。 しかし、それでは冬の寒い時に床下の空気は、時として0℃や1℃、普通の冬でも5℃という、冷蔵庫よりも冷たい空気が床下にあるということになります。そうすると、隙間から入ってくる冷たい空気が床を冷やしますので、床暖房の効きが悪くなるなど、1階の寒さにつながります。ヒノキヤは、寒冷地の家の作り方のように、基礎の内側を断熱し、寒い外気を一切、床下に入れない作り方をしています。そうすることで、床下は部屋の中と、ほとんど同じような温度になるため、冷暖房の効きが良くなり、床暖房も非常に快適で底冷え感がまったくありません。 ▼シロアリも防ぐアクアフォームには防蟻(ぼうぎ)という、シロアリが好まない素材を使った、防蟻(ぼうぎ)用の断熱材もあります。ヒノキヤでは基礎にはその防蟻(ぼうぎ)用のアクアフォームを施工しているため、シロアリ被害の心配も、ほとんどありません。床下ではなくて基礎を断熱することは、この意味でも非常に有効な方法です。 【このチャンネルについて】ヒノキヤグループの膨大なデータから、家づくりに役立つ情報を社長自ら定期的に発信していきます。是非チャンネル登録の上、次回以降もご視聴ください。