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2023.04.25
断熱・気密性能の要(かなめ)、アクアフォームを語る【社長対談:前編】
今回は、断熱材『アクアフォーム』を手掛ける株式会社 日本アクアの中村文隆社長をお招きした対談の前編です。ヒノキヤグループとの出会いのきっかけや、簡易的なアクアフォーム施工の実演など、アクアフォームのメリットを両社のトップが語ります。
【対談者】
株式会社 ヒノキヤグループ 代表取締役社長:近藤 昭
株式会社日本アクア 代表取締役社長:中村 文隆
近藤:今日は日本アクアの中村社長をお招きした、対談企画です。YouTubeで初めての企画ですが、最初に中村社長の自己紹介をお願いします。
中村:ウレタン断熱の現場施工のメーカーをやらせて頂いております、株式会社日本アクアの中村文隆です。よろしくお願いいたします。
近藤:初めて会ったのは、今から17~18年ぐらい前ですか。日本アクアの前身の会社に社長がいらした時だったと思うんですが、なぜ中村さんはこういう仕事をやろうと思ったんですか。
中村:元々原料メーカーに約10年勤めておりました。そこにアクアフォームの前身の物がデッドストックになっており、これをどうしても広めたいという思いから商品化に繋げ、独立し現在に至ります。
▼ヒノキヤとアクアフォームの出会い
近藤:約20年ほど前に、これからこの商品が伸びると見越したんですね。我々が初めてアクアフォームを知ったのは、当時、小屋裏収納を商品化するタイミングでした。グラスウールの断熱は小屋裏では夏は厳しいという問題にぶつかっていた時、たまたまいいタイミングでアクアフォームを知りまして、「これなら屋根に断熱できてちょうどいいな」と。当時はまだまだ、こういった断熱材が一般的ではなかったですよね。でも将来絶対伸びるという自信があったんですか?
中村:自信は全然なかったんですが、独立して必死にやっていました。
近藤:そのアクアフォームですが、いつも中村社長がいろいろな所でやっている実験があるのですが、一度カメラの前でもやっていただけますか?
▼アクアフォーム施工を簡易実演でみる
中村:アクアフォームは実際は機械で吹き付けます。トラックで機械を現場に運搬して施工しますが、ここでは簡易的な発泡をやってみます。アクアフォームは二液性で、こちらの茶色い液体はイソシアネートです。ベニヤ合板を作るボンドなどでよく使われます。こちらのポリオールという透明な液体がミソで、プラスチックの原料だと思ってください。では、混ぜていきます。茶色いイソシアネートを50cc、透明なポリオールも50cc、1:1で入れて攪拌します。すると化学反応でゆっくり膨らんできましたね。1mmの樹脂が100mmに膨らみます。もう触れるのですが、この柔らかい断熱材がアクアフォームで、これを屋根・壁・床に吹き付けるだけで、高気密・高断熱住宅ができるという新しい工法です。
近藤:この実験は住宅展示場でも営業マンが毎日のようにお客様にお見せしていて、皆さん膨らむ瞬間を見ると「おおーっ」となる。この反応が嬉しいですよね。ところで、断熱材ってすごく地味な素材ですよね。でもアクアフォームは膨らんでいく様子を見せることができるので、ぼくはビジュアル系断熱材と呼んでいます(笑)。
▼身近な素材「ウレタン」を使った『アクアフォーム』
近藤:ウレタンって私たちの身近な所で色々使われてると思いますが、例えばどんなものがありますか?
中村:ベッドのマットレス、低反発枕、自動車の椅子などは軟質ウレタンという、本当にポピュラーな素材です。皿を洗うスポンジもそうですね。
近藤:ウレタンは身近な存在で、安全安心なものだと改めてわかりますね。
▼『アクアフォーム』で施工する本当のメリット
近藤:木造住宅をメインとする我々からみて、アクアフォームの一番のメリットは気密性が取れること。断熱材を施工しただけで気密性が取れるものは他にはなく、これが最大の特徴だと思います。もう一つは自己接着力と追随性、さらに、屋根や基礎にも容易に施工ができること。この他にも、特徴やメリットとしてどんなものがあるでしょうか?
中村:やはり開発した時期が特にそうだったのですが、従来は綿のような繊維系断熱材がポピュラーで、それしか使用されていませんでした。工務店さんも別に「なんでもいいや」といった感じで皆さん使っていたので、昔は断熱に意識が全く向いていなかったんですね。国がエコや省エネを打ち出し始めてからやっと、断熱にフォーカスが当たるようになりました。 今までの繊維系断熱材は、大工さんが壁に入れているだけ。天井に置いているだけ。ですから隙間だらけになるんです。この施工ではだめで、繊維系断熱材では断熱施工ができていなかったんですね。 アクアフォームは機械で液体を吹き付けて施工するため、どこにも隙間ができない。こういった施工はやはり、我々断熱メーカーが行って隙間をなくすこと。なかなか大工さんに任せきりではできないことを私たちはやっているので、メリットとしては高気密・高断熱住宅が簡単にできてしまう、ということも一つだと思いますね。
近藤:確かにおっしゃる通り、我々が断熱材を扱う前は、断熱材はほとんど世の中で興味を持たれていなくて、たぶんほとんどの会社が「とりあえず入れとけばいい」といった認識でした。世の中の考え方が省エネとか地球温暖化などで、ちょっとずつ興味関心が移っていくなかで、住宅にもそういった性能が求められるようになった、ちょうどそんなタイミングだったと思います。
▼アクアフォーム施工後の気密性能を測定してみた
近藤:先日、築8年の住宅展示場を解体するとき、新築時は気密性の高いアクアフォームが、はたして築8年たった建物で気密性はどうなっているんだろう?とふと思い、測定してみることにしました。 おそらく今まで誰もやったことがないはずなんです。ネットでもいろいろ調べましたが、他の断熱材を含めてそういったデータは出てきませんでした。実際に気密性を測定した結果、C値が0.8で、「これはすごいな」と。天井を解体する時に、壁をはがすとアクアフォームがしっかり張り付いていて、新築時と見た目は何も変わらない。たぶん気密性も落ちていないのだろうと思ってはいましたが、実際に測定してみて驚きました。アクアフォームはそういう意味でも、壁の中で普段は見えないですが、劣化しにくいところもメリットの一つかなと思いましたね。
中村:そうですね。従来型のウレタン発泡は、フォームの中にフロンガスが入っていました。そのフロンガスは経年でだいたい抜けてしまうんです。これはどういうことかというと、いままでのものは独立気泡といって、泡が繋がっておらず、独立した気泡の中にフロンガスが入っていました。アクアフォームは連続気泡体といって、泡が全て繋がっている。これ(実演サンプル)は、1%の樹脂と99%の空気でできているんです。空気は空気と入れ替わるだけなので、収縮したり劣化しようがないということです。
近藤:壁の中というのは、住んでいる時は全く見えない。壁の中でもし、収縮してしまったり剥がれてしまっては、何の為に断熱材を使ったかわからなくなってしまいますが、アクアフォームの場合はそういう心配もないですね。これも非常に大きなメリットだと思います。
中村:そうですね、実証されましたからね。 近藤:これからも年数がたった建物や、色々なケースで測定を実施してみて、アクアフォームの劣化がないということを証明していきたいと思っています。
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