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2023.04.28

アクアフォームが結んだ信頼の絆~その軌跡と今後のビジョン【社長対談:後編】

 

 

 

前回から引き続き、日本アクアの中村社長との対談後編です。

アクアフォームは戸建住宅に留まらず、ゼネコンが手掛ける大規模プロジェクトでも採用されるなど、活躍のフィールドが拡がっています。両社の関係性や、製品の技術進歩などを振り返りつつ、企業としての将来のビジョンをふたりのトップが語ります。

 

【対談者】

株式会社 ヒノキヤグループ 代表取締役社長:近藤 昭

株式会社 日本アクア 代表取締役社長:中村 文隆

 

▼普及のポイントはコスト面と導入の容易さ

近藤:中村さんは、これまでアクアフォーム普及を通じて、日本で高気密・高断熱住宅を普及させた一翼を担ってきたと思っているのですが、会社を作った時にここまでになることを想像していましたか?

中村:全く思わなかったです(笑)。これまで、高気密・高断熱住宅といえば外断熱が主流でした。しかし、韓国や中国、イギリスでの事例からも、外断熱は火事の危険があります。やはり耐火においては内断熱の方が良い。外断熱は施工時に断熱材を外から貼るため、コストもかかって難しいんです。しかし、日本アクアに頼めば、簡単に断熱施工ができるので普及したのではないかと思います。

近藤:先ほどおっしゃっていた、大工さんではなく専門部隊が施工することで、施工のムラなどを極力無くしていこうということですよね。 中村:そうですね。断熱材は断熱屋さんがやる時代が来たのではと思います。

 

▼アクアフォームのターニングポイント

近藤:いま、日本アクアでは年間で木造の戸建をどれくらい建てていましたか?

中村:5万棟を超えていますね。

近藤:5万棟というと、日本で1年間につくられる住宅の約10~11%ほどに当たるので、10棟に1棟はアクアフォームが入っている。これはすごいことですよね。中村さんは会社設立時「将来売り上げ300億円を目指す」とおっしゃっていて驚いたのですが(笑)、16年経って手が届きそうなところまで来ましたよね。その間に、どこかターニングポイントはありましたか?

中村:一番はヒノキヤグループに入ったことです。原料メーカー勤めを経て、独立して1人で近藤社長にお会いした時も「前の会社じゃなくて、中村さんから使うよ」と、言っていただいて。

近藤:中村さんが勤めていた前の会社の建材を使っていましたが、ある日突然「独立します」と聞いて。「同じ商品で同じようにやるので、ウチの商品を使ってください」と来られたんですよね。僕は中村さんしか知らなかったし、最初に売り込みに来た方で。思い入れもすごく強かったので、どんな会社かも分からないまま「じゃあわかった」と。(笑)

中村:近藤社長と建材の商社さんのおかげで順調になってきた頃、出資者から、会社が大きくなったらどこかで同業他社に売る、という話が出て困ったことになったと。そこで近藤社長や商社、問屋さんに相談したところ、近藤社長が即答で「うちが受ける」と言っていただいて。あれがなかったら今の会社はなかったと思います。

 

▼原料コストを下げるため、自ら製造メーカーへ転換

近藤:日本アクアも当時はまだ原料を輸入して、自分達はあくまで営業して施工するだけの会社でしたよね。会社の規模も大きくなり、日本アクアが上場する、といった流れの中で「自分達は原料メーカーになる」と。原料メーカーになるためには、技術的・専門的な人材が必要ということでテクニカルセンターを作りましたよね。あれはどう言った考えだったのですか?

中村:僕はアクアフォームを普及させたかったのですが、原料をそのまま買うだけではコストが下がらない。原料メーカーさんと交渉を重ねましたがなかなか解決できず、「これはもう作るしかない」と。川上から川下まで全て自社でやろうと決めて、 2014年、横浜に研究所を設立しました。技術の方にも来てもらえたことで、原料が製造できるようになった。ここは第二のターニングポイントでした。

 

▼開発・研究・製造から最後の施工まで

近藤:その後、色々な新しい商品や付加価値のある商品を自ら開発していった。テクニカルセンターで技術者を仲間に出来たことは、非常に大きかったと思いますね。

中村:新しい『アクアモエン』という燃えない断熱材も一昨年に完成しましたが、そういった商品も研究所がなければ出来なかったと思います。

近藤:今では日本アクアはウレタン断熱材を自ら開発・製造するメーカーである、ということですよね。まさに開発・研究・製造から最後の施工まで全てこれをやっている会社は・・・?

中村:世界にも我々しかいないです。 近藤:そういう意味でもユニークな会社ですよね。その部分に特化しているので、非常に強い会社になったと、改めて感じます。

 

▼ESGも見据えた、リサイクルへの対応

中村:このウレタン系断熱材はリサイクルがなかなか難しいのですが、リサイクル対応にも成功しました。いまESGなど色々と取り沙汰されていますが、粉砕して再断熱に利用することも可能で、このリサイクルができるのも日本で我々だけなんです。

近藤:施工現場で吹き付けをした後、はみ出た部分をカットしたゴミをリサイクルしようということですよね。

中村:そうです。これは大量に発生するゴミで、年間5万棟のゴミ処理は1億円以上かかりますから、やはりリサイクルをしていかなければいけない。発生したゴミは東北工場でリサイクルしています。

近藤:そういった取り組みや起業姿勢も評価につながる。工務店やゼネコンもそこは重視しますよね。

 

▼アクアフォームの拡がるフィールド

近藤:これまでずっと戸建ての話をしていますが、実は日本アクアはウレタンの断熱材を一戸建てだけではなく、大きなビルやマンションなどでも手がけていますが、例えばどんなところに?

中村:羽田空港や大阪のサッカースタジアム、タワーマンションや国立病院、大学病院ですね。こういった建築系やRC系(有筋コンクリート)には、かなり採用していただいています。

近藤:結局ありとあらゆる建物には、必ず断熱材が入っており、そこにも日本アクアは入り込んでいると。

中村:やはりゼネコンも中小の工事会社に任せるよりも、施工からリサイクルまで一貫して扱える、我々のようなメーカーが喜ばれてチョイスしていただけるということですね。

近藤:特にゼネコンの仕事ですと、戸建てとは違ったニーズがあるんですよね。それで燃えにくい断熱材も開発したということですか?

中村:中国のテレビ局やアパートなどの火事で数名亡くなる事件があり、世界的にウレタン・プラスチック系素材は断熱性に優れているが、燃えるのではないか?と懸念されました。そこで、5年前から燃えない断熱材『アクアモエン』の研究に着手し、開発に成功しました。いま韓国に輸出していますが、アジア圏にも『アクアモエン』を広めたいと考えています。

 

▼高気密・高断熱住宅の、普及への思い

近藤:日本の住宅の高気密・高断熱化が普及してきて10~20年。その流れのなかで、日本アクアはとても大きな貢献をしてきたと考えているのですが、そこに何か思いはありますか?

中村:そうですね、ヒートショックで1万5千人ほど亡くなってしまう中で、アクアフォームを使っていただくこと、Z空調を導入することで、洗面・トイレ・廊下、どこに行っても暖かいし涼しい家ができる。 断熱には色々な工法がありますが、施工時に隙間が全くなくなるのは吹き付けしかありませんので、やはり我々の商品が一番優れている。これを評価されたことが一番良かった事ですね。

近藤:あとは、やはりコストですね。20年前と今と比べて、色々な努力をした事でかなり下がりましたよね。

中村:そうですね。起業した時よりも40%ほどコストも落ちています。

 

▼我が家の家づくりから生まれた『Z空調』

近藤:ちょうど10年ぐらい前に僕が家をつくった時、アクアフォームを使ってしっかり高気密・高断熱にしたんです。そのとき中村さんに、「もっと何か快適な設備ってないですか」と相談をしたら「全館空調を入れたらどうですか」って提案をしてくれたんですね。

中村:そうでしたね、言いました(笑)。

近藤:それがきっかけで、我が家は全館空調を導入して快適な生活を手に入れ、これが『Z空調』に繋がっていくという流れがあったんです。そう考えると 『Z空調』がいまあるのも、中村さんがあの時に全館空調を勧めてくれなかったら、なかったかもしれない。そういう意味でも我々と日本アクアとは繋がっていますね。

 

▼日本アクアの最大の特徴は

近藤:いろんな断熱材メーカーや、ウレタンでも競合の会社があるんですが、そういう他の断熱材の会社と比べて、日本アクアの最大の特徴って何でしょうか?

中村:原料メーカーは他にもあるんですけども、やはり原料しか作っていない。例えば板状のボードメーカーも板状の断熱材しか作っていない。繊維系もそうですが、その物しか作っていない。我々はこの材工。 我々にしか出来ないこれが一番の武器ですね。原料から工事・再利用までできるここが一番の強みですね。

近藤:そういう会社は他にもないし、そもそもそんなことをやろうなんて思っている会社も他にはないですよね(笑)

中村:そうです、ないんですね(笑)。職人さんが毎日1,000人、アクアフォームを吹き付けしているわけで、なかなかその規模は世界的にみてもないですね。

近藤:そういう意味では非常に面白い会社で、他と色々な意味で差別化ができていますよね。

 

▼日本アクアの将来のビジョン

近藤:日本アクアもこうして本当に大きな会社になり、この先何を目指していくのか、どんな商品が今後出てくるのかなど、そういうことも含めてこれからの目標をお聞きできればと思います。

中村:起業した時は300億円、上場した時は1,000億円をやると言いましたので、それを目指そうと思っています。どういう戦略かというと、ウレタンの木造分野はもう出来ました。建築は『アクアモエン』燃えない断熱ウレタンが主軸となり、ここで売り上げがまた上がると思います。そして今度は、防水の方にも参入しています。日本のビルを見ると、防水が切れたり駄目になったビルがたくさんあり、この市場を取っていきたい。日本の防水市場はガラパゴスで、どこも同じような古い防水の手法なんです。海外は超速硬スプレーという、超速硬のポリウレアがスタンダードです。日本だけなぜか、それが使われていない。なぜ使われていないかというと、既存の団体守りたいだけなんですね。 そこで、ポリウレアの新商品『アクアハジクン』を全国に販売していきたいと考えています。現在、20年の耐久年数試験をパスしており、30年の耐久試験も行っています。それをパスできれば、15年から20年の保証をつけて防水の分野にも参入していきたいと考えています。

近藤:断熱材の業界では、日本アクアはある意味革命児というか、異端児と言われながらも、業界のしがらみを破壊しながらやってきた。これを防水業界でもやろうというのは大変なことだとは思うんですが。やはり思いは最終的に、そのビルのオーナーや利用している方にとってより良い形、建物にとってもより耐久性が増して雨漏りなどがないようにする。これは誰もが願う話ですから、良い材料を広めていこうということですよね。そこは日本アクアならやっていけると思うし、一生懸命応援したいと思っています。

中村:ありがとうございます、よろしくお願いします。

近藤:本日は中村社長をお迎えして、対談という形で話をさせていただきました。中村社長、どうもありがとうございました。

中村:ありがとうございました!

 

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